今日もよくあるご質問(ご相談)をご紹介します。
「『今ココを生きる』ことが大事と言われている中、私は、ワクワクする未来を描いて、そこに向けて頑張っているところなのですが、コレはアドラー的にはどうなんでしょうか?」
平日のお昼に不定期で放送している、StandFMライブ配信「アドラー心理学を耳で学んで自分のものにする講座」をお聴きくださっているリスナーさまからのお便りでした。
まず、このお便りをいただいて最初に感じたのが「ワクワクする未来を描いて、そこに向けて頑張っている」ということ自体がとっても素晴らしいことだ!ということ。
既成概念や周りからのプレッシャー、他人との比較をして、「こうあらねば」と思いながら、本当の望みに耳を傾けることなく、日々の忙しさにかまけて何となく毎日頑張ってやってる気がするけど、実際はあっという間に1年、2年と経ってしまっている・・・というのが、多くの方の現実なのではないでしょうか。
そんな中、ご自身に向き合って、意識的にご自身がなりたい未来を描いて、行動しているって、まさに「未来実現」の要素がたっぷり含まれていると感じました。
で、そんな「ワクワクする未来を描くこと」はアドラー的にどうなのだろうか?という話。
アドラー心理学のベストセラー本である「嫌われる勇気」の続編「幸せになる勇気」の最後の方に紹介されていたのは、「エネルゲイア的生き方」。
それは、ゴールを設定することなく、今ココをただひたすら精一杯生き切ることで、結果的にゴールにたどり着く、という生き方。極端な話、ゴールなんて設定する必要もない、とまで、「幸せになる勇気」には書かれています。
その対照的な生き方として「キーネーシス的な生き方」が紹介されています。それはゴールを設定したらそこに向けて、より効率的に、短期間で、達成することをヨシとしていて、そのゴールにたどり着くことが出来なければそれまでの過程があったとしてもすべて失敗と見なす、というような考え方でした。
しあわせな人生を実現するためには、「目標達成」のためのキーネーシス的な生き方よりも、「プロセスを楽しむ」エネルゲイア的な生き方を推奨していて、そのためには、「ゴール(未来)」よりも「今ココ」に着目しよう、という私は理解をしています。
が、個人的には、実際の未来実現のためには、ここはゼロか100かの話ではないと思っています。
本当の意味で「望む未来を実現させる」のであれば、その望む未来と同じ波動の自分でいる必要があり、そのためには、ありありと望む未来を描いて、その自分になり切って、感情を味わうのが大事。よく「引き寄せの法則」などでも言われていますよね。
ただ、望む未来を描いて終わり、今、現在に目を向けたら不満ばかり・・・となってしまったら、結果的に不満を実現してしまうことになりかねません。
なので、望む未来をありありと描いて、感じきって、その自分になり切ったら、その波動のまま、今ココを心地よく、気持ちよく、すべてはうまくいっていることに心から感謝の気持ちをもって過ごし、目の前の生活を精一杯、生き切るのが大事なのではないでしょうか。
「幸せになる勇気」では目標を設定するのを否定しているように見えますが、実際、アドラー心理学は「未来志向」の心理学ともいえ、過去のトラウマを否定し、何かトラブルや悩み事があったとしても、「では、自分はこれからどうしていきたいのか?」を考えていきます。
「未来を描くことを否定」しているというよりも、ヒトは放っておくと、どうしても、「過去への後悔」や「未来への不安」を持ちがちな生き物なので、意識的に「今ココ」を感じ、生きることに力点を置きたいのだろうと解釈しています。
というわけで、結論としては、「ワクワクする未来を描いて、その時の自分の感情を味わい、なりきり、その波動を今ココの自分でも継続する」そして「今ココを感謝の気持ちをたっぷり持って、心地よく、精一杯生きる」ことの両方が大事なのではないかな、と湯本は考えています!
「今ココ」と「未来を描くこと」でお悩みの方の参考になれば幸いです。
「自分を変えたい」「望む未来を叶えたい」40代女性のための「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」が持てるようになるレッスン
しあわせな人生実現コーチ 湯本レイナ