「自分を変えたい」「望む未来を叶えたい」40代女性のための「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」が持てるようになるレッスン:ライフトークパートナーの湯本レイナです。

「イイ」「悪い」の二元論から解放されよう

ヒトは、何かに迷ったり、悩んだりすると、それを解決してくれる方法を模索します。そしてその解決法に出会えて、うまく解決できたりすると、「それが絶対にイイ!」と確信を持つときがあります。

例えば、湯本が心の学びを始めたのは、長男が小学校にあがって(小さなカワイイ)嘘をつき始めたことがきっかけでした。手を洗ってないのに「もう洗った」とか、学校からのお手紙があるのに「もらってない」とか。現在その長男は中1になっているので、今から思うと本当に些細なカワイイ嘘だったのですが、その当時の自分は第一子の子育てはすべてが初めてで、「これからもずっとウソをつく子に育ってしまったらどうしよう」と思って必死に子育ての学びを求めました。

そんな中でアドラー心理学や親業に出会い、そこで学んだ在り方、考え方に強く共感して、それを生活の中でも実践するように心がけていました。実際、それで子育ての軸が出来て、私にとっては今に至るまでとても大きな指針になっています。

が、例えば、そのアドラー心理学や親業で学んだ「ヨコの関係」(⇔上下関係が基本の縦の関係の真逆であり、大人と子供、親と子であったとしても、対等な関係で関わること)や「課題の分離」という考え方は、とても大切にしていきたいと思っているものの1つですが、あまりにそこに固執しすぎると苦しく思うことも多々ありました。

自分はヨコの関係で関わろうと頑張ってるのに、夫が上からの指示(縦の関係)で子どもに接しているのを見るとイライラしたり、自分が課題と思っていることに対して他人から「土足で踏み込まれる」ような関わりがあったりするときには、それを必要以上に嫌だと感じたり。

自分が違和感や嫌悪感を感じるにとどまらず、そんな他人を「よりよくしてあげたい」という名目で、他人を変えようと試みるようになってしまうと、対立が起きることもあり、本当にシンドクなります。

そんなことって、あなたの周りで起きていませんか?

その後、こころの学びを深めていくと、だんだんそのシンドイ時の自分が「イイ・悪い」の「二元論」に縛られていたということに気付くようになりました。

これはあらゆる分野で言えることだと思っていて、食の世界でも何を食べれば良くて、何を食べるのが悪だ、とか、子育ての世界でもこういう声掛けが良くて、これはダメだとか、仕事の面でもこういうやり方が良くて、こんなことをしていたらダメだとか・・・。

たしかに「ヨイ」「悪い」で明確に分けるとわかりやすいし、伝わりやすいのでカンタンなのです。

「どっちでもいい」というと、あいまいだし、説得力が欠けるように感じるのも事実です。

でも、「正しい」「間違っている」で分けると、自ずと競争原理が働き、誰だれよりも勝っている・劣っている、間違っている人を見下す、自分が正しくいることができないと自己効力感が下がる、自分の価値を見失うなど、現代社会の負の部分に巻き込まれやすくなるのではないかと思います。

そう思うと、何かを解決してくれる考え方ややり方が、どんなに良いものだったとしても、万人が認めるものだったとしても、「その方法を知っている自分である」というところにとどめておき、それを必要以上に絶対視するところまで踏み込まないようにしたい、と湯本は常々意識するようにしています。

(自分を含め)どんな人にもそれぞれの事情があり、その中で精一杯生きています。絶対に正しいとされる方法があったとしても、その通りに出来ない時もあるし、出来る時もある。それがやりたいと思う時もあれば、やりたいと思わない時もある。それがその人その人の個性だし、その人その人のその時の生き方であるのですから、尊重していきたい、そう思うのです。

自分は正しいことをしているのに、なんだかシンドイんだよなぁ・・・と感じる時があったら、「イイ・悪い」の「二元論」に縛られていないか、ちょっと立ち止まってみるのもよいかもしれません。